JARLの失策を総括する

(この記事は月間ファイブナイン 2014年8月号に掲載された記事を再構成したものです。)

JARLの失策を総括する

JA3EJG 魚崎幹夫

プロローグ - 栄枯盛衰の軌跡

第2次世界大戦後の日本のアマチュア無線の歴史は、諸先輩方の並々ならぬ努力により全国の30局に予備免許が下りた昭和27年7月29日に始まった。昭和33年には無線従事者の資格に電話級、電信級が新設されアマチュア無線局の数は急激に増加し始め、これに伴い国の免許業務は飽和状態となった。昭和34年にJARLは社団法人となり、開局手続きの一部を代行する保証認定業務を受託し、実質的に巨額の運用益を得ることになった。
この年、後に大きな問題を起こすことになる終身会員制を導入した。昭和40年には無線従事者の資格を取得するための養成課程講習会の運営を認可され、保証認定制度と合わせて世界に例を見ないアマチュア無線のビジネスモデルが完成し、アマチュア無線局の局数は増加を続けた。一時は割り当てるコールサインが無くなり、コールサインの再割り当て制度もスタートした。JARLの会員も急激に増加し、組織も支部制から地方本部-支部制に改められた。
この会員の増加傾向にブレーキをかけたのが携帯電話、そしてインターネットを介した通信手段の普及であった。グループでVHFやUHFのバンド内の周波数を私物化しラグチューに興じていた仲間は、わざわざ再免許などの煩わしい手続きをしなくても自由に使える携帯電話やインターネットの世界に移りアマチュア無線の世界から去って行った。若い世代は資格取得や免許申請などの煩わしさを嫌いアマチュア無線の世界に入ってくる者の数は激減した。その結果、JARLの会員数も減少に転じた。
アマチュア無線ブームは昭和50年代の後半にその最盛期を過ぎたのである。この最盛期を挟んで昭和45年から平成24年までの41年間一人の会員が会長職に就いていた。どんな良い政権でも長過ぎると必ず組織が硬直化し癒着など多くの弊害が出てくる。後継者を育て引き継いでいくというのは組織の頂点に立つ者の重要な役目の一つである。
― 散りぬべき 時知りてこそ 世の中の花も花なれ 人も人なれ ―

明智光秀の娘にして禁断のキリシタンだった細川ガラシャが、関ヶ原の戦いで自決する際に詠んだ辞世の句である。一般社団法人に移行するに当たって、理事に就任できる年齢に上限を設ける、いわゆる理事定年制および連続4期8年間とする重任制度ができたのは評価すべきである。現在7万弱の会員数が維持できているのは、電話級、電信級ができた頃にアマチュア無線に興味を持ち無線を始めた集団と、中・高校生の頃にアマチュア無線を始めた団塊の世代の集団で、この2つの集団がリタイアの時期を迎え、仕事の多忙を理由に中断していたアマチュア無線にカムバックして来たのが大きな要因であり、この2つの集団後に続く若い世代のアマチュア無線人口は先細りである。どんな企業でも1年後、3年後、5年後、10年後そして今年採用する社員が定年になる頃の30数年先の企業形態、企業規模や必要な人員数、年齢構成を予測しながら年次の計画を立て、毎年見直しを行っている。JARLも現在の会員の年齢構成や新入会員の人数や年齢構成を調べれば、5年後、10年後の会員数や年齢構成はかなりの精度で予測できるはずである。電話級、電信級ができた時に開局した世代や、団塊の世代の返り咲き組が去った後のJARLという組織の規模は誰が見ても明白である。にも拘らず最盛期の規模の組織を維持しようとしているのが悲しいかな現在のJARLである。5年先、10年先を先読みし、この巨大化したマンモスのような組織の抜本的改革に早急に手をつけないと、少数の会員に役職者がやたら多いとんでもない組織になってしまうことは火を見るより明らかである。

組織は、環境に合わせ「学習する集団」でなければ死滅する。

JARLが犯した3つの過ち

JARLは最近、会員の信頼を根底から裏切る3つの大きな過ちを犯した。
それは、(1)屋内PLCの導入に対する対応、(2)先を読み切れずに作ってしまった終身会員制度の処理、そして(3)一般社団法人移行に伴う社員制度の誤った運用である。
以下に詳細を述べる。

(1)屋内PLCの導入に対する対応

屋内PLCが自らも参加した実験で短波帯を使用する無線通信や放送受信などに許容できない妨害を与えることが判明し、導入に反対の立場をとっていたJARLが、最終段階で突如理事会で賛成する決定をした。
JARLの活動を頼もしく思い期待していた会員は、正に裏切られたのである。

(参照URL http://www.jarl.org/Japanese/2_Joho/2-7_plc/060823chomonkai.htm )
アマチュア無線業務に割り当てられている周波数帯の多くが含まれる2MHz~30MHzの短波帯に許容できない妨害を与えるPLCの導入に、アマチュア無線局を運用する会員を中心に組織された連盟が賛成したのである。これは多くの会員からはもちろんであるが、海外の連盟やアマチュア無線愛好家、そして短波帯利用者から痛烈な批判を浴びた。
日本の家屋の多くが木造建築物であり短波帯に対する遮蔽効果が低いにも拘わらず屋内使用に限定したことと、超短波、極超短波を使用する会員が多数派であったことなどは言い訳にすぎず、他にもっと大きな公表できない理由があったのではと勘繰られても仕方ない大きな過ちである。
PLCの屋内使用のメリットは殆ど無い。賛成派の真の狙いは屋内使用をステップとしてPLCの屋外使用を認めさせることにある。果たせるかな屋内解禁3年後、屋外PLC解禁の要望が業界より出された。さらにその先には漏洩ノイズ電流の規制値の緩和が待ち受けていると考えなければならない。
屋外に縦横に張り巡らされた配電線網をアンテナとして短波帯全域に雑音がばら撒かれるのである。考えただけでもぞっとする。慌てたJARLは屋外PLC解禁に反対を表明したが、既に屋内PLCに賛成してしまったことが解禁反対の活動に大きな障害となり屋外PLCはすんなり解禁されてしまった。
PLC阻止活動に関しては http://plcsuit.jp/ を参照されたい。日本のアマチュア無線界の見識を示す活動であり、原告各位には心から感謝の意を表したい。

これから生起する短波帯への脅威は「JARLが先頭に立たねば」取戻しが出来ない雑音の海となってしまう。

(2)会費前納会員制度の処理

アマチュア無線ブームの終焉による新規加入者の減少と、定期預金金利収入を見込んで作った終身会員制度(図1参照)がバブル経済の崩壊による超低金利時代の到来により金利収入が見込めなくなったことによる収入の急激な減少の対策として、いわゆる会費前納会員(終身会員という呼び方が消えてしまった)の前納会費を清算して制度を廃止し、これら会員からも会費を徴収しようとするとんでもない決定を会員の同意を得ず一方的に行い、規則に付則第4項を追加したが、反対が強く実施は見送られていた。
(参照URL http://homepage2.nifty.com/vasolza/syusin.htm )
図1 昭和46年8月5日付けの終身会費と手書きされた領収書。JARLは公益法人なので収入印紙は貼らなくて良いことになっていると印が押されている。(TNX to JA1CLW)

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一般社団法人に移行後、平成25年の第2回定時社員総会で「ライフメンバー」という訳のわからない会員を作り会費を前納した会員をここに移行させた。

(図2参照)この総会の日付で付則第4項を削除しているので、先に記したとんでもない決定は規則から消え、闇の彼方に葬られた。
ライフメンバーにはJARLの失策の代償として、年4回の冊子版JARL NEWSの配布とQSLカードの転送サービスを除く、会員として権利の行使は終身認めるが、この2つのサービスを受けるためには年払い会員と同額のライフメンバー会費の支払いを求め、カードの転送のみを希望する者には転送手数料の支払いを求めるというものである。
この2つのサービスを含む会員としての権利が終身続くものとしてまとまった会費を前納した会員に対する明確な「契約違反行為」である。本来、前納された会費は積立金としJARLの組織の基礎をより強固なものにするためのものであったはずである。現実には毎年積立金を取り崩し見掛け上の収支合わせすることが常態化し、一時はかなり多額に上った積立金も平成25年で遂に底を尽いてしまった。
筆者は年払い会員であるが、『ライフメンバーに対してこの2つのサービスを受益者負担にするなら年払い会員も同じ扱いにしないと筋が通らない』という抗議の電子メールを稲毛会長に送った。事務局より『会長はこのメールを確かに読んだ。社員総会で承認という正式な手続きを踏んで決めたことなので、何の問題もない。』という素っ気ない返信が返ってきた。随分古い話であるがQSLビューローにカードを送る時、国内局宛ては1円、海外局あては2円の切手大のシールを購入して貼り付けた記憶がある。これが本当の受益者負担である。第3回定時社員総会で公表された情報よると、JARLNEWSの購読とカードの転送が継続されるライフメンバー会費を振り込んだのは23,576人のライフメンバーの内2,437人で、カードの転送手数料のみを振り込んだのは3,263人に過ぎなかったということで、収入改善にはあまり寄与せず、約2万人にJARL NEWSの配布をしないことによる経費削減の方が大きいと分かった。企業が業績改善のために第一に手をつけるのは固定費の中でも人件費である。事務局人件費の削減には一切手をつけず、全てを会員にしわ寄せするのは到底納得できるものではない。JARL会員の種別にライフメンバーという種別は無いので、定款上は定款で定める6つの種別のいずれに該当する会員かを明記する必要がある。(ライフ「正員メンバー)」と「准員(ライフメンバー)」の会員証が送付されたはずであるが、免許が既に失効しているのに入会申込書に記載したコールサインと「正員(ライフメンバー)」と記載された会員証を受け取った会員がいる。図2 新たに発行されたライフメンバーカード。定款上の会員種別は正員であるため矛盾点が出てくる。(TNX to JA2GXU)

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後で述べるが理事会に報告した局免許の確認できない会員の調査は何を目的として、どのような会員を対象に、どんな手段で行ったかをJARLは明かそうとしない。
こんな詐欺まがいの議案が「建前上会員が選挙で選んだことになっている社員」で構成される社員総会で可決されるということは、社員総会が執行部の意のままに操られているということに他ならない。

(3)社員制度の誤った運用

そこで3つ目の社員制度の誤った運用について実例を上げながら述べてみる。
一般社団法人に移行後の第1回定時社員総会で、会員の選挙で選ばれた理事候補者の内、JARLの改革の必要性を訴えて当選した4氏が理事就任を否決されたという一瞬目を疑うような速報が飛び込んできた。理事候補者選挙は理事として必要な数の候補者を会員の選挙で選出するのであるから、会員の代議員である社員は選挙の結果を最大限尊重し理事に選任するのが本来の役目である。特定の候補者の理事就任に反対する社員は定められた手続きに則り堂々と理事就任にふさわしくない理由を説明し、他の社員の判断を仰ぐべきである。誰もが納得できる理由を明らかにせず、社員総会が無記名の多数決で理事就任の可否を決めるのは2重選挙であり、理事候補者を会員が選挙で選出したという事実を完全に無視し、理事は我々社員が決めるのだという社員の思い上がりである。社員総会はよほどの理由がない限り候補者の理事就任を否決すべきではない。理事候補者の理事就任を否決するよほどの理由の基準としては、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第八十八条の定めが良い参考になる。

(社員による理事の行為の差止め)
第八十八条 社員は、理事が一般社団法人の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該一般社団法人に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該理事に対し、当該行為をやめることを請求することができる。
2  監事設置一般社団法人における前項の規定の適用については、同項中とあるのは、「著しい損害」「回復することができない損害」とする。

理事選任審議において、あろうことか理事就任の賛否の判断に全く関係の無い候補者の学歴が取り上げられた。今日の社会常識では到底考えられない差別的質問である。
また議長団は、支部長でもある質問者の要求に応じ、候補者全員を最前列に一列に並べて立たせ、一人一人に支部制度廃止についてイエスかノーかでの返答を求めた。イエスと答えた候補者は誰もいなかったにも拘わらず全国区で上位当選した候補者を含む改革を訴えた4名の候補者の理事就任を「見事に否決」した。
正に独裁者のやる踏み絵そのものであり、多くの会員の支持を受けて選出された理事候補者の人格を否定する社会常識から逸脱した恥ずべき行為である。議長団のこのような進行を黙認した当時の会長はじめ壇上に席を連ねた理事、監事、事務局の責任も重い。後で知ったが改革の必要性を訴えるグループを排除せよと
いう怪文書がずいぶん飛び交っていたらしい。

議事録を読んでも否決された理由がまるで判らない。改革を恐れる悪い意味での保守、体制派が自分達の保身のため、自分たちの思い通り行動する会員を社員選挙に立候補をさせたか、もしくは社員総会の前に何らかの裏工作をしたとしか考えられない。質問が支部制度存続に対する候補者の賛否を問いうというものであったことからも、一部の保守、体制派がこの巨大化した組織を維持し自分たちの居心地の良い居場所を守ろうとしたことがありありと伺える。

社員や理事候補者は会員の選挙で選ばれるのであるから会員の意思、いわゆる民意は十分に反映できているという言い訳が白々しく聞こえる。
会員は間接的ではあるが組織運営に関与しているという考えは「全く誤った考え」であったことを嫌というほど思い知らされた。

いみじくも前副会長が講演(平成25年12月7日関西地方本部主催・年末ハムの集い)で、「今のJARLは前のJARLとは全く違い制度上社員による組織なんです」と述べていた。会員を前にして組織の運営は社員、理事と事務局がやるから一般会員は黙って年会費を納めておればよいと言っているのである。

4名の理事就任が拒否されたため空白となった4名の理事候補者を再選挙で選ぶべきであると1,300名を超える全国の会員有志が会長に申し入れ、一度は理事会で再選挙の実施を決めて(平成24年9月29日 第8回理事会)おきながら、次の理事会では再選挙は実施しないと覆った。巨額の費用を掛けて再選挙をしても同じ候補者が選ばれまた同じことになると主張した副会長に対し、ある理事がリコールされた自治体の首長でも再選挙に立候補できると反論されて黙ったと聞いている。

それが会員の意思であるので同じ結果になるのは当然のことで、会員の意思を反映しない社員総会がおかしいということに気づかないのか、それともまた同じように否決する密約ができていたとしか考えられない。
結果的に再選挙は実施されず4つの理事のポストが空白のままとなり、規則第37条1項に「会長が代行者を指名できる但し書き」を加えてつじつま合わせをした。
理事空白となった地方本部長人事の重大な失策はJARLの信頼・信用を大きく失墜させた。

(参照URL-JARL会員  https://www.jarl.org/Japanese/4_jarl/4-1_Soshiki/rijikai/rireki-m.htm 「理事会報告, 第8回理事会, 第9回理事会」)

内部復元力無きJARL・・・そして司法の場へ

新体制作りのごたごたが収まるのを待っていたかのように、翌平成25年5月18日JARLは4千数百名あまりの会員の局免許が確認できないととんでもないことを公表した(第11回理事会報告)。

『8.局免許が確認できない会員の調査結果について
昨年10月末よりおこなってきた、局免許の碓認できない会員4,786名(内訳会費前納者3,550名、年払い会員1,196名、社団会員40名)に関する調査結果は、次のとおり。①開局申請・手続き中408件 ②コールサイン変更48件 ③退会275件 ④准員移行4,054件 ⑤その他(登録住所が原発避難地域) 1件 (平成25年4月23日現在)』

(参照URL-JARL会員  https://www.jarl.org/Japanese/4_jarl/4-1_Soshiki/rijikai/rireki-m.htm 「理事会報告, 第11回理事会」)

ここで、JARLが局免許の確認できない会員を4,786名に特定したという根拠が判らない。調査対象が局免許の確認ができない会員と記しているが、局免許の有無をどのような手段で確認しようとして局免許が確認できなかったかを合わせて発表すべきである。調査結果を公表するときは、調査対象や調査方法を明確に示さなければならない。
再免許などで免許の有効期間が変更になっているが届出を行っていないので会員台帳上は局免許の有効期間が満了しているはずの会員から、このような調査は一切無かったと聞いている。また、文面から、局免許の確認を行ったということは調査対象会員が会員台帳に「正員」と記載されている会員であることが判る。
調査の前後で准員数に大きな変更があったことから、これは調査結果でなく調査の結果どの様に処理したという報告になるべきである。筆者の推測ではあるが会員台帳に記載されているコールサインを何らかの検索システムに入力し、該当なしと表示されたものを局免許が確認できないと表現したものと思われる。
このような検索ができるのは筆者の知る限り総務省の電波利用ホームページの無線局等情報検索しかない。しかし、裁判でJARLはこの総務省の検索システムでは正員の確認はできないと主張している。
いずれにしても、この数字は平成25年4月23日現在のものとなっているが、前回平成24年の選挙人を確定した時点と調査を開始した平成24年10月末の約半年の間に会員の数に大きな変動を及ぼす様な要因があったとは考えられないので、調査結果の①、③、④の数の会員の大部分が選挙人確定の時点で会員台帳に
「正員」として登録されていたと推測できる。
JARLがこの事実を公表したのは事の重大さを甘く考えていたものと思われる。たとえば有権者7万人弱の市の市長選挙で選挙が終了し当選者が決まった後で、実は4,000人を超える選挙権の無い市民にも投票用紙を配っていたと公表したらどんなことになるか、想像に難くない。
社員総会で全国区第2位で当選した候補者を含む4名の改革の必要性を訴えて当選した理事候補者の理事就任を否決するという不条理・愚行の前にJARLは理事候補者選挙の時点で選挙結果に影響を与えかねない重大な過ちを犯していたのである。
JARLの選挙規程第30条3には「異議申立ては、選挙結果を告示した日から20日を経過した日までに提起することができる」と定められているが、選挙人を確定する基となる会員台帳の杜撰な管理に起因する正当性を欠く選挙で候補者に選出され者は理事候補者の立場にないのであるから、社員総会で承認されても理事の立場にないのは明らかであり、これは選挙規則に定める選挙に対する異議申し立てとは全く別の物である。結果的に社員総会は理事候補者の立場にない理事候補者の理事就任の承認、否決を審議したことになる。
そこでJA1AA庄野OMを団長、JA1ELY草野氏を事務局長とする104名の正員による原告団を結成し、JARLを被告とする「JARL理事地位不存在確認請求」の訴訟を平成25年8月28日に東京地方裁判所に対して提訴した。
筆者は原告の一人である。JARLが一時凌ぎで継ぎ接ぎ的な物事の処理や裏工作で組織を運営するのを止め、正常な組織運営ができる組織に戻って欲しいという一念から止むを得ず起こした行動である。
原告側は、訴状、準備書類、公判でのやり取りをJARL選挙無効裁判WEBサイト ( http://newjarl.com/ )で全て公開している。
一方、被告であるJARLは平成25年9月28日の第13回理事会で裁判に関することなのでという理由で会長一任を取り付けたこと、また、平成26年2月22日の第15回理事会で第3回公判の簡単な報告があったということ以外、裁判についての情報は理事会にも会員にも知らせていない。
原告側の準備書面や公判での陳述は理路整然としており、原告団の考えを代理人弁護士は正確に理解して代理人の役目を十二分に果たしているのに対し、被告と被告側の代理人弁護士の間にはしばしば意思の疎通を欠く書面や発言が見聞される。被告であるJARLは裁判を長引かせ、平成26年の選挙と社員総会が終了した
時点で「この7人の理事が存在しなくなったので確認請求は意味を失った」というところへ逃げ込もうという卑怯な作戦であることが裁判の初期の時点ではっきりと読み取れた。
本論に入るのを避けるための手段として一貫して原告適格にこだわり、都合8回の公判を通して全員の原告適格が確認できないから証明しろと執拗に要求を続けた。このこだわりには裁判官もうんざりしたようで、「原告の一人でも適格が証明できれば裁判は成立するのですよ」と被告側弁護人をたしなめたり、また、原告全員が平成24年の選挙の選挙権者を確定する日と提訴した平成25年8月28日の両日とも選挙権を有する正員であったことを証明せよと要求し、裁判官から「提訴した日に正員であることが証明できれば当裁判所は原告適格と認めます」と言い渡たされたり、なり振り構わず時間稼ぎをして時間切れへの逃げ込みを図ってきた。ここまで被告側が本論に入るのを恐れたのは本論に入ったら不利という読みがあったことの裏付けでもあろう。
裁判の詳細な経過については前出のJARL選挙無効裁判の公式ホームページを参照されたい。
この裁判で、最近JARLは定款第7条で定める「正員」が「電波法に定めるアマチュア局の免許を有する者」というJARL存立の根幹を完全に無視した会員管理を行っているということが明らかになった。
裁判はまだ係争中であるので被告側の準備書面は公開できないが、被告の主張を少し紹介しておく。
被告準備書面1で、「仮に正員が選挙時に局免許を失っていたとしても、規則第21条に定める要件を満たす者は、同人の届出に基づく会員種別の修正が行われない限り、引き続き選挙権を有する」と主張している。
まず、「仮に正員が選挙時に局免許を失っていても」の部分で「局免許を失った正員」は定款を何度読んでも存在しない。
「規則第21条に定める要件を満たすものは」の部分は、規則第21条には「選挙権は・・・会員台帳に登録され、かつ、会費を納入している正員が有し・・・」とあり、この条文は「選挙権は正員が有し」、正員の中でも「会員台帳に登録され、かつ、会費を納入している」正員に限定すると読むのが条文の正しい読み方であって、

「正員」であるのが基本要件である。
「正員」は定款で局免許を有する者、また、局免許を失った者は准員とすると明確に定められている。したがって、規則第21条に定める要件の基本要件を満たしていないのであるから「同人の届出に基づく会員種別の修正」の有無に関係なく選挙権は有していないのである。
「同人の届出に基づく会員種別の変更が行われない限り」の部分は規則第9条2の条文の解釈を誤っている。この条文は会員から会員台帳の記載事項に変更の届出があった場合のJARLの速やかな修正義務を定めているのであって、局免許が失効したにもかかわらず局免許の有効期間変更の届出義務を怠った会員の種別を准員に変更するのは定款第10条の定めによりJARLの裁量範囲であり、その結果として会員台帳の記載内容を変更することを妨げるものではない。
また、JARLは「コールサインが確認できなかったのであり、局免許が確認できなかったわけではない」と主張しているが、この項の冒頭にも記したが理事会で次のように報告している。
『8.局免許が確認できない会員の調査結果について  昨年10月末よりおこなってきた、局免許の碓認できない会員4,786名・・(中略)・・に関する調査結果は、次のとおり。・・・(後略)・・・(平成25年4月23日現在)』
明らかに局免許を確認したのである。コールサインは局免許を与える時に指定され、局免許が失効すればコールサインも無くなる。この主張はどういう意味があるのか解せない。
平成26年5月14日の第7回公判の準備書面(4)では、
「・・・原告らの主張を貫けば、過去50年以上にわたって行なわれた2年毎の理事選挙はすべて無効であったことになるが、全く理解できない。」と主張している。
原告は平成24年の理事候補者の選挙に限り正当性を欠く選挙によって選ばれ社員総会で承認され理事に就いた者に対して理事の地位にないと主張しているのであり、この選挙以外に言及するのは被告がやってはいけない開き直りである。
平成26年6月25日の第8回公判の準備書面(5)で、本来被告が調べれば分かるはずの原告適格-原告がJARLの正員であること-を証明するために、原告104
名に免許状のコピーの提出を求めることは、会員台帳に正員と登録された会員全員に局免許のコピーの提出を求めなければならなくなるとの原告の指摘に対し
て、「・・・・このように、被告に対し正員の局免許の有無を確認する義務を課すことは、被告に不可能を強いることに等しく、実務を離れた空論に過ぎない』と反論して
いる。局免許のコピーの提出を求めたのは被告である。局免許の有無を確認する義務は原告が課すものではなく、もとより被告の義務である。被告は正員の資格要件
である局免許の有無の確認は性善説をとり会員の届出に基づいて行ってきたのであるから、これを踏襲すれば良いのであって、要は、月に一回でよいから台帳上局
免許の有効期間が終了しているのに再免許などで免許の有効期間に変更があったことを届け出ない会員の種別を変更するという当然なすべき作業をなさずに放置
したことが問題なのである。
一般のアマチュア無線局の免許の期間が5年、正員の数が6万人としてもひと月に免許の有効期限が切れる会員は平均すると約1,000名、そのうち有効期間の変
更を届出しない会員だけを調査しておけばこんな事態にはならなかったのである。
会員台帳の重要性を考えればその正確性を維持するため、これらの会員にハガキや電子メールで問い合わせる位の努力はするべきである。事務局だけで処理できないのなら、こんな時こそJARL が誇る巨大な組織を活用すれば良いのである。
また、会員が局免許を有し、かつ、会費を納めている正員であるかを確認する手段は原告の平成25年8月16日付の『意見書』2に述べているように、今のIT技術を
使えば容易にできる。
(参照URL http://newjarl.com/blog/wp-content/uploads/2013/09/Ikensyo.pdf )
会長・専務理事には永年、高額な支払を続けた機械化事務費の説明責任がある。システム体制の整備も理事・役員に課せられた責務の一つである。会員台帳を信頼
できるものにするためにやらなければならないことなのである。
第7回公判終了後、裁判長より双方に和解勧告に応じる考えの有無と応じる条件を聞きたいと提案があり、原告はごく当然の条件を述べ和解勧告に応ずる考えを
表明した。一方、被告は検討すると告げて持ち帰った。我々原告団は被告の良識ある判断を信じ、第8回公判で裁判所の和解勧告を受け和解に向けた話し合いの
テーブルに着くことを期待したが、その期待は見事に裏切られた。被告が良識を示す最後のチャンスであったのに残念である。
第8回公判で、被告は準備書面に原告104名の内3名の原告適格が確認できないと、この期に及んでまだ原告適格にこだわり、そして7名はもう理事の地位にない
から裁判の意味が無くなったと記し、公判では裁判官の和解勧告に対し「被告に瑕疵は無いので和解勧告には応じない」と答えた。4,000人を超える選挙権の無い
会員に投票用紙を送付しておきながらよく言えたものだと呆れ返り、止むを得ず次回の公判で原告から今までを総括する反論を行いたいと申し入れ、了承された。
結審までに残された時間は多くないが、被告が平成24年の選挙の選挙人を確定する時点で会員台帳に不備があり、選挙権のない会員にも投票用紙を送付した
ことを認め、今後同じ事態が起こらないよう会員台帳を整備することを表明すればよいのである。新会長がメンツを捨て和解の話し合いに応じることを期待したい。さもないと、平成24年度の理事候補者選挙は不正選挙であったというJARLにとって不名誉な議論が永遠に続くことになる。

悪質な選挙運動に裁定

この裁判の最中の平成26年2月4日に平成26年通常選挙の選挙告示が出た。選挙告示と同時に選挙管理会は選挙規則第17条に記載されている組織名、役職名を
「選挙運動についてのご注意」で明確に示した。後ほどの記述に出てくるので「支部長」が役職に含まれていることをここで確認しておく。選挙のスケジュールは2月20日立候補受け付け締め切り、4月19日開票である。2月21日に立候補者告示が連盟事務局に掲示された。投票用紙が郵送された頃を見計らって今回もかなりの談合や怪文書の発信があったと思われるが、3月3日に大阪府支部 支部長JR3QHQ 田中透氏が自身のブログ『QHQの独り言』に書き込んだ「JARL選挙」「選挙規程第17条」と題した2つのブログは、上述の選挙規程第17条の役職名に「支部長」が含まれるという選挙管理会の注意を慎重に検討した上で書いたと思われるもので、「JARL選挙」は1人の候補者を落選させ2人の候補者を当選させようとする意図が明白であり役職者に禁止されている選挙運動に当たる。
そこで、全国区の候補者に関する部分はJA1ELY草野氏を代表者とする25名、関西地方本部の候補者に関する部分はJG3CCD石本氏が個人で、それにもう一通、筆
者JA3EJG魚崎を代表とする3名で、計3件の異議申立てを行った。(参照URL http:// )

5月9日に連盟事務局に持参し選挙管理会事務局名の受付証を交付された。およそ2週間後、5月22日付の受理通知が届いた。1カ月以内に裁定するという対応の遅さに、社員総会の開かれる6月15日までに裁定が下るのかと一瞬不安がよぎったが、6月9日付で『大阪府支部長として・・(中略)・・・一部で選挙運動の行為であると推測できるので、文書により「勧告」する』との裁定が下り、同日付けでもう一件の異議申立にも『文書による「警告」』という裁定が下された。

(参照URL http://www.jarl.org/Japanese/2_Joho/2-3_Kokuchi/2014/saiteikokuji.pdf )

処分の軽重は別として、選挙規程第33条1号による選挙違反処分の裁定がJARL史上初めて下されたことには一定の評価をしたい。処分を受けた者は裁定結果
を真摯に受け止め、逆切れし悪態をつくような行為を慎み、会員として反省をしなければならない。裁定の告示に記された本人の釈明は開き直りそのものである。
是非一読して頂きたい。ただ、文書による「勧告」や「警告」という処分は一過
性のもので、再発防止のためには例えば次回の選挙の選挙権、被選挙権を停止するなどの実質的なペナルティーを科すべきであろう。

「コールサイン=人格者」のごとき誤解に基づく人気投票制度から、候補者の求める職務、専門知識の執行能力を問う選挙制度へと根本的制度改革見直しを提起する。

同じ過ちを二度繰り返した「社員総会」

平成26年6月15日に開催された第3回社員総会でまたしても信じられないような不条理・愚行が平然と行われた。

社員総会で理事候補者の理事就任を否決する基準は既に記したので省略するが、前回の理事候補者選挙でJARLの改革を訴え全国区第2位で当選しながら理事就任を否決されたJA1ELY草野氏が、今回の選挙でも改革・再建を訴え前回を上回る支持を得て当選したにも拘わらず社員総会は理事就任を否決した。社会的知見を活かされない偏狭な用語解釈に捉われ「選挙」と「選任」行為を混同した組織の未成熟さを露呈した。同じく改革・再建の必要性を訴え、東海地方本部区域で現職を破り当選したJA2GXU 土屋氏も理事就任を否決された。社員総会は、社員の多くが改革によって自分たちの居心地の良い居場所が無くなるのを恐れる一部の指導部集団の操り人形にされてしまったのではと疑いたくなるような愚行を繰り返したのである。改革の必要性を訴えた前回当選の候補者が前回を上回る支持を得た事実、そして改革の必要性を訴えた新人候補者が現職を破って当選した事実、ここから多
くの一般会員がJARLに何を望んでいるのかを汲み取れない社員、会員の代表として理事の行動を監視しなければならないという社員本来の役目を忘れてしまった社員、もはや社員の多くは会員から乖離し、会員と対立してしまったのである。
今回も社員総会前には考えられないような怪情報が飛び交った。露骨に改革派の2人は絶対に否決せよというものもいくつか含まれていた。(参照URL http://
newjarl.exblog.jp/20789253/ )

筆者は直接確認できなかったが、総会会場前で改革派の2人を否決するよう呼び掛けるビラを配布する人物の目撃情報まであった。一連の怪情報の中で断じて看過できないものについて次項に記すが、もう一度言っておくが社員総会はとんでもない不条理・愚行を2度も繰り返したのである。これにより間違いなく会員のJARL離れが加速するであろう。

名誉棄損

選挙や社員総会の前に色々な情報が飛び交うのはある程度止むを得ないとは思うが、特定個人を誹謗中傷するのは、情報を発信した本人の品格を下げ、JARL
の社会的信頼を失う効果しかないし、個人や団体の名誉を傷つける情報の発信は絶対にやってはならない。内容によっては社会的責任を問われることになる。大阪府支部支部長JR3QHQ田中透氏は平成25年10月13日に開催された支部のクラブ代表者会議というJARLの会員であれば誰でもオブザーバー参加できる公開の会議の場で、『JARLを相手取って裁判を起こすことが罪悪であり、首謀者はJA1ELY草野氏であり、団長のJA1AA庄野OM以下原告団103名は草野氏に騙された可哀そうな人達である。草野氏はいっぱいいっぱい悪いことをした。』また、

と非難し、『理事会では原告団の除名を含めた処分を検討している』・・・という主
旨の発言し、草野氏の名誉を著しく傷つけ、また、その他原告団103名の名誉をも傷つけた。(参照URL http://www.newjarl.com/?page_id=724 )
この事実は会議を傍聴していた会員が電子的手法で記録している。この会議を招集し、公開の場にしたのは田中支部長本人である。
JARLは平成26年2月22日の第15回理事会で「本理事会は、本件の原告団にかかわるJARL会員の今後の取り扱いに関し会員の身分に対する特段の決定をした
事実はない。」と確認している。

草野氏は代理人弁護士を通じて同年12月25日に公式の場でこの発言の取り消しを求める内容証明郵便を田中氏に送ったが7カ月を経過した平成26年7月末の時点で何の反応も示していない。(参照URL ) http://www.newjarl.com/?page_id=724 )

さらに同じ大阪府支部長が第3回定時社員総会の直前に全国支部長(原則全員が社員)のメーリングリストに流した情報は(図3参照)、正に複数の個人と1つの団
体の名誉を傷つけるものであり絶対に看過できない。
(参照URL http://newjarl.exblog.jp/20794863/ )
メーリングリストに流した情報がリスト登録者以外に漏えいすることの怖さは、本人が2013年7月25日に自身のブログに「ある理事の行動」を書いた時点で十分認識していたことがわかる。メーリングリストに流す情報は今やそのリストに加入しているメンバー以外に流出して一人歩きするものと考えなければならないのは社会常識であり、司法判断が示している。

図3 社員総会の1週間前、全国支部長メーリングリストに投稿された大阪府支部長JR3QHQ田中透氏の理事候補者JA1ELY、JA2GXUの選任に関する情報。

JA3EJG_003

また、利用するメーリングリスト毎に利用規定が定められており、他人を誹謗中傷するような情報の発信を禁止しているはずである。メーリングリストは個人間でやりとりする電子メールとは全く別物なのである。さらに、この独り歩きしたメールを個人が公開することは「個人情報の保護に関する法律」とはまった
く無関係である。まず、JARL相手に裁判を行っている方『JA1ELY氏、です。』、『この方を含め(中略)選挙違反で異議申し立てを受けています。』、まるでJARLを相手に裁判を起こすことが罪悪であり、選挙違反で異議申し立てを受けている自分は被害者であるかの如き表現で、JA1ELY草野氏の人格を傷つけている。
JA2GXU氏に関する社員総会(昨年か?)での発言だという記述が、もし事実なら内容から察して激しい口調になったのは当然だろうと思うが、聞いた人がどういう印象を抱こうが他人がとやかく言えないものの人を貶める言葉は品性を疑わせる。

問題なのは『その後の情報では・・・』の下りある。筆者がJARL総務課に確認したところ「旅費支給に関する細部についてメールでのやり取りがあったのは事実であるが、その中で具体的な金額は出ていない」と口頭で返事をもらった。田中氏の記述は一部虚偽を含むかなり誇張した表現である。

そもそも土屋氏と事務局とのメールでのやりとりは個人情報であって、大阪府支部長が知っているのが解せない。連盟事務局が恣意的に第3者に漏洩しないかぎり流布するはずがない。もしこれが事実だと判明すれば、連盟事務局が土屋氏の選任否決の片棒を担いだことになる。
『また、この方は、・・・』の下り、PLCについてはこの情報の発信者自身も反対している訳であるからJA1ELY氏の仲間だということを強調したとしか読み取れない。
さらに看過できないのは『・・・東海総通は、申し送り事項・・・』の下りである。これが真実であれば国家公務員である東海総通(正式には総務省東海総合通信局)
の職員が個人情報を漏えいしたことになる。公務員の職務規程に反し、きわめて大きな社会問題になりうる。この時点で筆者は発信人が田中氏本人であるという確認が取れていなかったので、メーリングリスト名と発信人を明かさず東海総通に電子メールで問い合わせたところ、翌日次の様な返信が届いた。その対応の早さには感心させられた。一般社団法人日本アマチュア連盟の社員で支部長

―――――――――――――
平成26年6月11日付ご相談に対しまして、次の
とおり回答させていただきますので、よろしくお願
いします。

総務省 東海総合通信局 東海総合通信相談所
mail:info-tokai[アットマーク] 総務省 (※SPAM防止のため書き換えています。)
【回答】
クレーマーリストは作成しておりません。
したがいまして「東海総通の申し送り事項」もござい
ません。

—–Original Message—-Sent:
Wednesday, June 11, 2014 12:04 AM
To: info-tokai[アットマーク] 総務省 (※SPAM防止のため書き換えています。)
Subject: 添付文書の記載内容の真偽の確認依頼
【フォームのアドレス】

https://www.soumu.go.jp/soutsu/tokai/opinions.html

―――――――――――――――――――

図5 筆者の問い合わせに対する東海総通よりの回答メール。
の役職にある者が、同じく社員である支部長間の連絡に使うメーリングリストに総務省の一地方組織が個人情報を漏えいしたという偽情報を流したという事実をJARLとして調査のうえ、公式の場でそれは誤りの情報であると公表しないと、JARLが役所の個人情報漏えいを看過したことになり、また、50名を超える支部長(社員)がこのメールの内容を社員総会で理事候補者の選任の判断材料としたことも考えられるので、高橋総務課長(社員総会の速報で総務部長であることを知りました 失礼をお詫びします)に電子メールで知らせたが、1か月経った時点で何の返信も返ってきていない。受け取った電子メールに対して何の返信もしないということは、今時、一般の企業や、役所では考えられないことである。たとえそのメールが一個人からのものであったとしてもである。もはやJARLは一会員の言うことなど無視しておけば良いという体質になってしまったのだろうか。

多くの情報源を持つのは良いことではあるが、情報のやり取りは互いの信頼関係に基づいて行われるものである。情報によっては情報源を絶対に明らかにしてはならないものもある。筆者はこのメールの発信者が支部長本人であることを確認したが、どういうルートで確認したかは裁判所の要請でもない限り絶対に明かさない。これだけ社会が個人情報の扱いに厳しくなった今日、役所名を利用して役所が個人情報を漏えいしたかの如き情報を流すということは、内容の真偽にかかわらず土屋氏本人は勿論のこと役所の名誉をも著しく傷つけたことになり、田中氏の社会的責任は極めて大きい。公の場で訂正し謝罪しない限り社会的責任を問われることになる。
同時に田中氏は支部長としての資質を疑われ、自身の社会的信用を自ら失ってしまったことを知るべきである。

ついに表面化したドロドロの権力争い

この原稿が最終校正に入った時点で2つのとんでもない情報が入ってきた。何と4月の理事候補者選挙に敗れたJA2HDE木村氏が7月9日付で東海地方本部長に就任していたというのである。7月22日の夕方に届いたJARLメールマガジンで初めて知った。
木村氏は関西アマチュア無線フェスティバル(以後関ハムと記す)の「JARLそこまで言って委員会」のパネラーの一人として壇上に並び、社員総会がJA2GXU土屋氏の理事就任を否決したことに対し謝辞を述べたのであるが、自分が東海地方本部長に就任していたことについては言及しなかった。これほどの破廉恥を知ったのは筆者の70年を超える人生で初めての経験である。土屋氏の理事就任否決の理由として、壇上の複数のパネラーが土屋氏は社員総会において旅費の件で具体的な金額を出して事務局に支払いを迫ったと発言し、それを司会のJR3QHQ田中氏が後押しした。この情報は、社員総会直前にJR3QHQ田中氏が東海総通から聞き出した情報としてクレーマーリストの件を加え50名を超える支部長(原則社員)に支部長間
の連絡に使うメーリングリストに流したものである。(前述)
前にも述べたが筆者はこの件を事務局に電子メールで問い合わせても返信がなかったので、電話で返信が貰えるのか問い合わせしたところ、電子メールでは
ちょっと…と言葉を濁し、電話でなら答えられる範囲でということで、土屋氏とは旅費支給の細部でメールのやり取りがあった、具体的な金額は出ていない、そ
の他は返事できないと、何とも歯切れの悪い対応であった。電話でならということは後に残る電子メールでの返信を避けたと思われる。
東海地方本部下の支部長達の意見は誰が聴取したのか定かでないが、おそらく旧勢力と事務局が、人事権を持つJA7AIW山之内新会長に木村氏の地方本部長
委嘱を迫ったのであろう。2年前につじつま合わせのため苦し紛れに作った規則第37条第1項ただし書きを今回は堂々と利用したのである。土屋氏に票を投じた
1,300を超える会員は地方本部長としての木村氏の実績に対し不信任の意思表示をしたのである。間違っても木村氏に地方本部長を委嘱するのだけは避けるべ
きであった。JARLは土屋氏に票を投じた1,300名を超える会員を裏切り、切り捨てたのである。
理事候補者の選挙で落選した会員に本来理事のポストである地方本部長を委嘱する、これは前回空白となった中国地方本部長人事でやった失敗より遙かに大きな信じられない様な愚行である。抗争を恐れた新会長がそれを受け入れたのだろうが、委嘱の権限を持つのは会長だけである。 抗争を恐れず毅然と筋を通すべきであった。壇上のパネラー達の勝ち誇ったようなおしゃべりが、今後の理事会の混乱を予想させる。もうひとつも上で述べた関ハムの「JARLそこまで言って委員会」の情報である。(参照URL http://jj1wtl.at.webry.info/201407/article_11.html )
関ハムのこれ以外のイベントが関西地方だけでなく周辺地方のアマチュア無線愛好者に有意義な情報を提供し、子供たちに夢を与える素晴らしい企画であり、企画運営に携わっている方々に敬意を表したいが、このパネル討論はそれらの素晴らしさを全て帳消しにしてしまった。これはまがいもなくJARL内の一派閥の公開欠席裁判である。
理事会で裁判に関することであるからという理由で会長一任を取り付けたはずのJARLの抱える2つの裁判の見通しを語り、司法に委ねられた判断にまで言及したり、会長、副会長を選出する投票の裏工作を暴露し、裏切り者が出た、ユダが出たと国際問題になりかねない発言をしたり、とんでもないことを平然と、しかも面白おかしく喋りたてている。
しかも、JA1ELY草野氏の理事就任を否決した理由は、氏の言論がJARL理事にふさわしくないと、我が国の憲法で認められている基本的人権に及ぶような発言まで飛び出したが、誰もが納得できる理由は何一つ見出せない。
会場からの質問も仕込んだものであったようで、かなり以前の出来事についての質問にあれだけ正確に答えるのは即席では不可能と思われるし、会長に対する
不信表明として見事に利用している。

いずれにしてもJARLのドロドロした内情を、踏み込んではいけない一線を超え、仲良しグループだけで自分たちに有利なことだけを公開の場で喋ったということは、会場で聴いていた会員はもとより、公開討論の内容をメモしたブログを読んだ多くの会員のJARLに対する不信感を増長させただけで、組織に対する裏切り行為である。

エピローグ
- 会員と対峙してしまった社員民主的な物の決め方というのは、少数意見や異なる考えを持つ者の意見に耳を傾け、議論を尽くし、双方納得の上で物事を決めていくことでであって、多数決で決めたのだからそれで良いというものではない。社員
総会の録音を聴くと、最初に採決ありきで進行しているとしか思えない。社員総会は理事の反組織的行動や組織運営、特に収支報告書に法定額を超える使途不明
金は無いか、財政状況は健全かどうかなどを監視するのが役割であり、社員が毅然と対峙する相手は会長・専務理事である。
会員の代表であるはずの社員が会員と対峙してしまったら、会員はJARLを見捨てて去ってゆく。しかもその多くは収入の大部分を占める会費年払い会員である。その結果収支バランスが急激に悪化するがもう食い潰すものは余りない。
ライフメンバーが退会するためには届出が必要であるのに対し、年払い会員は何の手続きも要らない。ただ会費を払わなければそれだけで良い。これはいつでも
行使できる会費年払い会員の大きな権利であることに気付いた。130名の社員が行動を誤ると会員数7万弱を誇るJARLという組織を崩壊に導きかねないという大
きな責任を負っていることを社員は自覚するべきである。

社員も選挙で選ばれる集団である。ならば社員就任も選任制度の網をくぐらねば不合理である(制度設計の矛盾に早く気が付いてほしい)。選挙は、皆が責任を平等に持つ究極の選任行為である。

筆者略歴

1941年 7月 神戸市に生まれる
1964年 3月 兵庫県立姫路工業大学
(現兵庫県立大学 ) 電気工学科卒業
1964年 4月 在阪テレビ局に技術職として入社
1966年 3月 第 1級無線技術士
2000年 6月 同社取締役退任

10kWテレビジョン放送機、中継放送機、マイクロウエーブテレビジョン信号伝送装置、VHF/UHF連絡用無線機等の保守、運用及び上記無線局に関する電波監理局(現総合通信局)との窓口業務に従事(途中12年間人事部で人事、労務政策、福利厚生等の業務に従事)。術部門に復帰後本社社屋移転に伴う新放送システムの構築等に従事。取締役技術担当。民間放送連盟技術委員。総務省地上波テレビジョン放送のデジタル化に関する検討部会委員。
筆者プロフィール

話は脱線するが最後に編集長のお言葉に甘え僭越ではあるが筆者のアマチュア無線活動について記しておきたい。
アマチュア無線にはいろんな楽しみ方がある。仲良しグループのラグチューから学術的研究の範疇に入るものまで、どれをとっても楽しく興味深いものである。
筆者は老眼が進むまでの30年以上の間、機器やアンテナの自作を楽しんだ。学生時代から会社をリタイアするまではクラブ局の一員として公開運用やアワードサービスのための移動運用、それに、非常災害時に備えた通信訓練にも積極的に参加してきた。DX通信も細々ではあるが続けていた。
筆者が本格的にDXを始めたのは、初めてメーカー製リグを購入し100Wの免許を受けた1997年である。神戸市の住宅密集地で海抜高が9mしかない。しかも北側は六甲山系で遮蔽されている。こんな悪条件でDXをやってもとても300エンティティーには届かないだろうが、とにかく300を目標に頑張ってみようとDXを追いかけ始めた。
初め悪条件だと思っていた六甲山系がロングパスでアフリカやヨーロッパの局を呼ぶ時、バックからの雑音や混信を抑えてくれることに気付いた。100Wの力不足もキロワットで電波障害を撒きちらしQRTに追い込まれることなく一生ハムライフを楽しめると思えば我慢もできる。
キロワット局との差は10dB、Sメーターの振れでたった3つである。この10dBを埋める方法を見つければオナーロール入りも夢ではなくなるかもと、とんでもないことを考えた。
そのために筆者なりに考え実行してきたのは、先ず情報の収集である。はじめ海外を含め5つのDX情報誌やBULLETINには必ず目を通す。未交信のエンティティーへのDXペディションの計画を見つけるとペディション先とのバンド毎のオープン時
間を調べ、パスのあるバンドをひたすらワッチする。
10dBのためには寝食も忘れなければならない。100Wで珍局をゲットできる最初のチャンスは相手がQRVを開始してからクラスターにUPされるまでの長くて数分の間である。クラスターにUPされパイルアップになってしまったら、暫く呼ぶのを止めて相手が受信周波数をどの様に動かしているかを確認できるまでワッチを続け、相手が次に聴く所を予測し先回りして
筆者 JA3EJGのアマチュア無線歴

1961年 7月 電話級アマチュア無線技士
1962年 4月 JA3EJG開局 (3.5, 7 MHz A3 5W)
1963年 8月 電信級アマチュア無線技士
1965年 2月 第 2級アマチュア無線技士
1974年 6月 第 1級アマチュア無線技士
1997年 3月 100Wに増力 (1.9~28MHz)
2000年 2月 第 2装置増設(50MHz追加)
2005年 6月 電波の型式にF1B, G1Bを追加
2012年 11月 DXCC 現存331(Mixed Honor Roll)

筆者近影、ベアフット運用を続けているがkW運用を否定しているものではない。

コールする。オペが変わると同じことを繰り返す。こんなことを3~4日続けることもあるが、同じ周波数で呼んだ局にコールバックがあるのが数回続く様になるとほぼ確実に自局にコールバックがある。この様な状態になると、ペディションのオペが次ここを聴くからここで呼びなさいと教えてくれている声が聞こえる様な気がするのである。
CWの場合、パイルアップが10kHzに広がっていても相手が聴いているのはその内の高々500Hzである。相手が前の局とQSOが終わり受信に移ったタイミングで
相手が次に聴く周波数で呼ぶのが確率を上げる方法である。
当たり前のことであるが相手が聴いている時に呼ぶのである。コールサインを連続して2回送ると2回目は相手が他の局にコールバックしているのと同時送信
になる。自局へのコールバックかもしれない。5NNを2回繰り返したり、DEやKを送るのは無意味である。自分がDXペディションの一員として現地にいると自分に
思い込ませ現地の生活リズムに溶け込むことや、パイロット局の流す情報で現地の状況を知ることも大事なことである。そして最後の頼みはGood Luckである。
100W局の最大の敵は相手局の運用場所のノイズレベルである。筆者は2012年11月のPT0Sで夢にまで見たオナーロール入りができたが、ローマ市内にある
1A0KMとは2014年1月になって17mのロングパスでやっとQSOができた。ニューヨークの4U1UNは何度もチャンスがあったがまだQSOできていない。どちらも都市雑音が凄いらしい。100Wにトライバンダーという並みの設備でもパワーの10dBというハンデを克服する方法を見つけ、幸運に恵まれればオナーロール入りまでは可能であるがトップオブオナーロールに名を連ねるのは不可能というのが筆者の得た結論である。オナーロールの末席を汚すことができ、DXCC CHALLENGEも目標の2,000
を超えたが天からの迎えが来るまでこの愛するアマチュア無線を続け、文字通りサイレントキーとなるまでマイクを握り、キーを叩たき続けるつもりである。

脱線が長くなってしまったが、筆者もそろそろ『散りぬべき 時知りた「人」』となりJARLを去るべきか、もう少しJARLに留まり、を持たず漂流を続ける

『羅針盤』
JARL号という巨大な船の行き着く先を見届けるべきか、思案に暮れている。
JARLが初心に戻り、小さくても良い、本当にアマチュア無線を愛する同志が集まり、和気藹藹と話し合い、アマチュア無線の発展のために個人では解決できない各種問題に全員でぶつかり、社会に貢献できるような法人に生まれ変わることを期待して止まない。

・・・・・・
追記 「ドロドロの権力争い」の項を書きながら筆者はJARLを去る決心をした。
関ハムの会場でメモを取りブログ(参照URL http://jj1wtl.at.webry.info/201407/article_11.html)に情報を提供して頂いた社員JJ1WTL本林氏には紙面を借りて心からお礼を申し上げたい。